「翼をさずける」と聞いて、何をイメージしますか?
レッドブルですよね。
知っている人も多いと思いますが、レッドブルはエナジードリンク市場を代表する商品です。
創業は1984年、製品発売は1987年。
創業から100年以上経っている企業が多い飲料業界の中では、まだ若い企業です。
そんな大ベテラン、大企業が多い飲料業界のなかでも独自のポジションをつくったレッドブルってめちゃくちゃマーケティングが上手な会社なんですね。
創業当時は、大手企業が多い飲料業界で、レッドブルは市場戦略に苦戦していました。
飲料水というと、新商品を出してコンビニやスーパーに並べれば良い、と思うかもしれませんが、それは大手企業が出来る流通です。
当然、新規参入のレッドブルはコンビニやスーパーの流通網もありませんでした。
そこで、レッドブルは新しいもの好きのクラブやバーのお客さんにレッドブルで割ったカクテルをアピールするなどして、地道に広めていきました。
加えて、レッドブルは「スポーツマーケティング」にも力を入れました。
スノーボード、サーフィン、BMXなどのスポーツにレッドブルは積極的にスポンサー契約を結んでいます。
ここでも、頭を使った戦略を取るんですね。
なんとスポンサー契約しているのは、野球などのメジャースポーツではなく、マイナースポーツと呼ばれたいたスポーツと多く契約しています。
複数社スポンサーがつくようなメジャースポーツのスポンサーにつくよりも、マイナースポーツのスポンサーになった方が、スポンサー数も少ないので観客に確実に記憶してもらえますよね。
しかも、支援しているスポーツがメジャーになったとき、レッドブルの認知度も大きく上がりますし、マイナーな頃から支援してもらっている選手からすると、その感謝は計り知れないものですよね。
レッドブルのマーケ戦略は挙げればキリがないので、これで最後にしますが、サンプル配布をするときにも工夫があります。
あなたは、レッドブルガールと呼ばれる2人組のお姉さんから、レッドブルを貰ったことがありますか?
大きなレッドブルの缶が付いている車に乗っていて、印象的なので見た人いるかと思います。
で、サンプルを配布するときも、レッドブルガールは会話を忘れないんですね。
これも凄く地味な努力ではあるんですけど、1人1人に強い印象が残りますよね。
そういった戦略が効果を発揮して、着実に若者から認知が広まり、今ではエナジードリンク=レッドブル、という位置を確立しました。
で、僕が好きなのは、これらの努力は「大手と同じ土俵には立てない」、という立場から生み出された戦略だからなんですね。
ついつい「資本力が」とか「人数が」とか上手くいかない言い訳をしたくなるんですけど、レッドブルは小さい企業が頭を使って、大手企業と戦えるまでに成長したっていう素敵な実例ですよね。
マーケティングで会社を成長させていく良いお手本だと思います。
ということで、今日は資金力がない小さな規模の会社でも頭使って頑張れば大きくなる!って話でした。
今日もありがとうございます。
では!
PS
「レッドブル、翼をさずける」というフレーズを何度も使うことで印象付けることに大成功した一方で、飲めば本当に翼が生えてくる、と信じていた消費者たちから虚偽広告だとして集団訴訟をされ、和解金を払うはめになったという悲しい笑い話が僕は好きです。