少し物騒な話なのですが、警視庁が令和4年に認知した特殊詐欺事件の被害総額を発表しているのですが、いくらくらいか想像できますか?
答えは、67億7800万。
とんでもない額ですよね。
で、色々な特殊詐欺があるなかで、一番多いのが「オレオレ詐欺」なんですね。
「オレオレ」と言って、息子や孫のフリをして「事故を起こしてしまって今すぐお金が必要だ」みたいなことを言って、親や親族の気持ちにつけこんで、お金をだまし取るっていうやつですよね。
でも、これだけ騒がれているのに、なぜ今も騙されている人は多いんだろうと思って少し調べてみると、マーケティングを使っていたんですね。
どんな方法かを説明する前に、オレオレ詐欺の肝ってどこだと思いますか?
「オレ」を息子だと信じてもらうことですよね。
なので、いかに「オレ」を息子だと信じさせるかという部分に詐欺師は力を入れたんですね。
その方法が、「お金が必要だ」という電話の前に、一本違う内容の電話を入れるということだったんですね。
例えば、「喉の調子が悪くて声が変だ」とか「電話が最近調子悪い」とか「番号変えたので登録しておいて」とか。
そういった電話を数日前にしておくことで、次の電話(お金が必要だという)を本物の息子だと思わせる可能性を高めているんですね。
これ、普通に怖くないですか?
自分の親族がやられるかもって思うと普通に怖いですよね。
この手法って、マーケティングでは2ステップマーケティングっていわれたりしています。
いきなり商品を販売するんじゃなくて、最初はラインとかSNSを登録してもらって、そこでどんどん教育をしてから販売するという流れです。
「登録や教育」からの「販売」という2つの段階を作ることで、いきなり販売するよりも購入割合が高かまる手法なんですね。
詐欺師も、最初はいきなり「お金が必要だから」と言えばだまし取ることができたけど、だんだん「オレオレ詐欺」の認知が広まったのでプロセスを変えてきたんですね。
これは非常に残念で全然素晴らしくもない事例なのですが、こと「プロセスを見直す」という点だけにおいては、工夫をしているからこそ特殊詐欺のなかでもいまだに被害数が一番多いんだと思います。
こんな悪用するような使い方ではなくて、しっかりと人が喜ぶような使い方をして欲しいと思いますが、この事例からもマーケティングの力を思い知らされますね。
ということで、事例があまり気分のいい話ではなかったんですけど、少し売上が落ちてきたと思ったなら、販売までのプロセスにもう一工夫することで劇的に変わるかもしれないよって話でした。
今日も最後までありがとうございます。
では!
2023.11.10